夜桜とは異なる、花桃の夜

桜の花びらが春風によって、宙に舞う。その中を自転車で走るたび、初夏が近づいていることを痛感する。それは一つの恋が終わりを告げ、やがて新たな恋に出会う。そんな幻想を抱かさせる。桜が散ると、新緑の季節が訪れる。その光景は生命の逞しさを感じるものだ。季節の移ろいとともに、新たな主役たちが命の営みを活発させる。散りゆく花もあれば、待ち焦がれていたように咲き始める花もある。それもまた自然がもたらしてくれる、尊い宝物である、そんなことを考える夜もゆっくりと更けゆく…

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夕暮れ時の花桃